忘年会の前夜に珍しく38度2分の熱が出てダウン、平成26年の団の活動の有終の美を飾る忘年会を欠席する羽目になり大変残念でした。世の中肺炎になっても熱がでない年寄りが沢山いる中で、78才の高齢になっても8度台の高い熱が出るのは、まだまだ体力が残っている証拠と自から慰めた次第ですが、次回の第9回演奏会までは、何とか十分な体力を維持できればと願っております。
わが愛するダンデイーズも20周年という大きな節目を過ぎて、これからは世代交代も進むでしょうし、色々と変わって行くものと思います。風邪でベッドの上にひっくり返っている時に、あれやこれや色々と思い浮かぶこともありました。その中で幾つかをアトランダムに書いてみました。あるいは求められた趣旨に合っていないかもしれませんし、語数制限を超えるかもしれませんが、ご容赦下いただければ幸いです。
1 ダンデイーズでの今年の一番の大きな変化は、何といっても指揮が永澤先生に託されたことです。
長い間武藤さんの熱意ある指導と卓越した編曲の両輪に支えられて大いなる実績を残してきたダンデイーズですが、目下永澤先生の新鮮でユニークな指導とスタイルを習得中で新しい団の立ち姿を懸命に模索しているという段階でしょうか。目指している方向は、発声なども含めいくつかあるようですが、着地点はまだまだ定かではありません。
ただ、ここ数ヶ月の練習を通じて、私なりにおぼろげに見えてきたことが一つあります。それは、歌唱力についてです。先生がご自分で歌って見本を示していただくと、われわれは直ぐにそのまま真似はできないにしても、皆さんなるほどと納得している様子です。私なども音符それぞれの表現、詞、ことば全体の表現はこうするのかなど刮目するところ大です。個人的な歌唱力の向上はもちろん、合唱団全体として歌を上手に歌える合唱団に育っていって欲しいものです。きっとユニークな合唱団に仕上がるのではと思います。われながら、今後が大いに楽しみです。
2 年の暮になって尾上君が脳梗塞で倒れ、当面の復帰は難しいことが分かりました。悲しいことです。
彼は、私とは大学の合唱団の同期生で4年間一緒に歌い、当時から彼の高い音楽技術力は卓越したものがあり、合唱団の学生指揮者の一人として大活躍でした。その後縁あってダンデイーズでは20年以上も一緒に過ごしてきただけに、私自身大ショックを受け、残念な思いでいっぱいです。少しでもリハビリの効果が出てくることを切に祈ってやみません。
尾上君と私の二人が、何故20年もの長きにわたってダンデイーズで歌えたのか、勿論武藤ダンデイーズが魅力ある合唱団だったこともありますが、もう一つ二人に共通の理由がありました。ただ、長くなりますので、ここでは省略させていただきます。
3 合唱団の歌う技術は別にして、曲や歌に対する私の理解度と好みは、ごく平均的な聴衆の方々と同じレベルだと思っています。従って現代の一部の作曲家・指揮者が好む難解な技術を駆使し、単なる前衛的な音の組み合わせが多く、あまり心に響かない曲は、ただただ退屈なだけで私の好みに合いません。
最近がっかりした一つに、先日テレビでも放映されたスエーデンのオルフェイ・ドレンガル男性声唱団の演奏があります。確かに合唱団の技術には素晴らしいものがありますが、楽器の歴史にしてもお経のような詠唱にしても、美しい旋律や魅力あるメロデイーはなく、私としては少しも楽しさを感じませんでした。正直、聴きにいかれた一般のお客さんも本心はがっかりしたのではないでしょうか。何といっても演奏会は楽しいものでなければ価値がありません。数年前に私がこの合唱団の実際の演奏会に行った時は、もっと楽しい曲の演奏もあったと記憶していますが、放映されなかった部分には楽しめた曲もあったのでしょうか。
曲や歌の善し悪しを決めるものは、第一に旋律の美しさと素晴らしさ、第二リズムと拍子、第三に歌詞の内容、第四に作曲・編曲の技術で、これらが渾然一体となって人の心に訴えるものがあるかどうかです。心に響くものとは、聴き手の好みはもちろん、人生経験、思い出、知識、希望、そして歌詞への共感などが関係してきます。
この点、われらがダンデイーズには、伝統的に、平均的に音楽を楽しむお客さんと一緒に楽しむ演奏をするという理念が一貫して貫かれていることがよく分かります。(ホームページの「定期演奏会記録」をクリックしてご覧ください)
そういう意味では、ダンデイーズは、音楽の技巧ばかりを追い求めない、珍しく大変バランスのとれた素晴らしい合唱団であると云えましょう。今後もこの伝統が維持されていくことを期待しています。
4 ダンデイーズのレパートリーにについてあえて何か指摘すべき事があるかと云えば、一つだけあると思います。
それは、宗教曲を殆ど歌っていないという事です。
人によっては好き嫌いがある分野ではありますが、何といっても、合唱の起源は教会音楽であり、賛美歌です。わが団もたまには、宗教曲にも手を伸ばす度量があってもよいのではないかと思います。尾上君は、大変真面目で控えめな性格だったので音楽委員長の座にありながらも強く主張はしませんでしたが、彼が私に常々云っていたことは、ブルックナーの男声合唱曲(ドイツミサ?)を一度だけ歌ってみたいということでした。希望が実現されない内に病で倒れられたことは、彼としても極めて残念であると思います。
5 何やかやとすっかりと長い文章になってきましたので、この辺で切り上げたいと思いますが、最後に、石川代表が現在、最も心配をされている団員の勧誘について、特に妙案があるわけではありませんが、女性に目をつけて行く方法をとられたら如何かと思います。
即ち女性の周囲にいる男性を間接的に狙うという方法です。具体的には、地域の相応レベルの女声コーラスグループとダンデイーズの合同パフォーマンスを企画し、女声メンバーの周りの男性をパフォーマンスに集めてもらい勧誘のきっかけつくっていく方法です。
検討に値するかもしれませんよ。
新しい年、2015年がダンデイーズと団員皆さまにとって充実した年でありますように祈ります。
冗長な駄文を最後までお読みいただき誠に有難うございました。
(完)
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